いまどきのデスペナ


この記事は、Roguelike Advent Calender 2018の5日目の記事です。

はじめまして。wa-kunと申します。
普段はクリスチャンをやったり、故コンパイルの残党をやったり、古代のゲームのプレイ動画の記録を残そうとしたりしていますが、
アイコンの通り、ローグライク畑の民でもあります。
主にdungeon crawl育ちです。


はじめに

今日は、ローグライクにつきもののデスペナルティについて考えていきます。
原理主義的には「恒久的な死(キャラクターが消滅する)」なのですが、
「ローグライクっぽいゲーム」にまで広げてみると、全部が全部そうでもないようです。
以下に、わたしが知っている限りで書き起こしています。
載っていないものをご存知の方は、「こういうのもあるんやで」と心の中で表に付け足してください。


wa-kunの知っている(やったことがある)ローグライク一覧


タイトルキャラクター装備品アイテムダンジョンその他
Rogue Clone II(Rogue系)消滅消滅消滅1つ
Nethack消滅消滅消滅1つ
死亡回避要素あり
Larn(XLarn)消滅消滅消滅複数死亡回避要素あり
dungeon crawl消滅消滅消滅1つ
死亡回避要素あり
dungeon crawl stone soup消滅消滅消滅1つ
死亡回避要素あり
hengband(band系)消滅消滅消滅複数
last of candle消滅消滅消滅1つ
Gearhead
(キャラクター戦闘敗北)
残る残る残る複数
  • 一時的ステータス低下
  • 最終セーブへの巻き戻りも選択可能(任意セーブ可能)
Gearhead
(メック戦闘敗北)※
残る消滅する
ことがある
消滅する
ことがある
複数
一時的ステータス低下
elona残る消滅する
ことがある
消滅する
ことがある
複数
  • 死亡回避要素あり
  • 永続的にステータスが低下することがある
  • 最終セーブへの巻き戻りも選択可能(任意セーブ可能)
不思議のダンジョン2
風来のシレン
残る消滅する消滅する
複数
死亡回避要素あり
風来のシレンGB
月影村の怪物
残る消滅する
消滅する
複数
死亡回避要素あり
風来のシレン2
鬼襲来!シレン城
残る消滅する
消滅する
複数
  • 死亡回避要素あり
  • 死亡階層を再度訪れると、当時の装備品を入手できることがある
わくわくぷよぷよダンジョン残るダンジョン
入場前に戻る
ダンジョン
入場前に戻る
複数
死亡回避要素あり
BAROQUE残る消滅消滅
1つ
死亡することでもシナリオが進行する
ドラゴンファングZ
竜者ロゼと宿り木の迷宮
残る消滅消滅
-死亡回避要素あり
世紀末デイズ残る残る消滅
-
  • 死亡回避要素あり
  • 現実時間で待ち時間あり

※「Gearhead」は人間がメック(巨大ロボ)に乗る要素があり、人間が死亡するかメックが壊れるかで扱いが変わります。
他のゲームで例えると、「メック=装備品」とお考えください。
たぶん今年のアドベントの後半で紹介すると思います。


所感

書き出していて、特徴的だと感じたゲームをちょっと上げていきます。

  • わくわくぷよぷよダンジョン
「ダンジョンに入る前に戻る」という、普通のRPG並みのペナルティしかありません。
ローグライクではぶっちぎりに軽いと思います。
というのも、「魔導物語」という既存のRPGのキャラクターを使っている、いわゆるキャラゲーであるので、
キャラクターを消滅させるわけにはいきません。
また、元のゲームに合わせて、ペナルティもRPG相当にしたのではないかと思います。

  • 世紀末デイズ
今回唯一のスマートフォン向けゲームです。
キャラはガチャで手に入れるものなので、これも消滅させるわけにはいきません。
「現実時間で待ち時間あり」とありますが、これはソシャゲのスタミナ回復待ちみたいなもので、
あまりペナルティにはなっていません。短縮するアイテムも無償で手に入ります。

  • hengband(band系)
ダンジョンが複数ありながら、死亡するとキャラクターが消えるという、ぶっちぎりで厳しいゲームです。
数回だけ遊んだ経験と、リプレイを拝見したことしかないのですが、キャラクターを作るたびに
序盤のお決まりの動きを繰り返せる方は、とても心が強いのではないかと思っています。


いまどき?

「いまどきのデスペナ」を考える前に、「いまどきのローグライク」から考えてみたいと思います。
まず「ダンジョンが複数」というところは外せないでしょう。1つだけだとプレイ時間が稼げません。
また、アイテム収集欲に応えるために、集めたアイテムを収納できる「倉庫」も配置されるでしょう。
無いと複数回遊ぶ気があまり起きないのではないでしょうか。

要素挙げの途中ですが、もうこの時点で、「キャラクターを消滅させる」(=ゲームを初期化する)という選択肢は
受け入れがたいものがあるでしょう。
何十時間も何百時間もかけて進めてきたデータがあっさり消えることを受け入れられるのは、よっぽど心が強い方だけです。
現代にはゲームもそれ以外の娯楽も溢れており、そんな中で「かけてきた時間を失う」ことを含めて楽しむのは
なかなか難しいのではないでしょうか。

さて、キャラクターを消さないとなると、次は「ダンジョン内の収穫をなかったことにする」が考えられると思います。
事実、これを採用しているゲームは「不思議のダンジョン」シリーズをはじめ、たくさんあります。
長い目では今まで遊んでいたデータはなくならないものの、
直前までに積み上げてきたものが崩れ去り、二度と帰ってこないという喪失感を味わえるところが、
いい塩梅として受け入れられているのではないでしょうか。

もう少し進んで「特に何も失わない」もしくは「失っても取り戻せるものしか失わない」というのもあるかと思います。
ここまでくると、「永続的な死」というローグライクの原理的な部分は失われていますが、
「ダンジョンが自動生成」という特徴的な要素を楽しむ上で、余計な要素を排除したかったのかもしれません。

上でも申し上げましたが、「キャラクターが消滅する」というのは、
時間がない現代ではなかなか受け入れがたいものがあるのではないかと思います。
ゲームの紹介文を見ていても、キャラクターが消滅する要素がある場合は
それが特徴の一つとして、大々的に取り上げられている気がします。
ゲームの返品が簡単にできる今、ミスマッチを未然に防ぐための取り組みなのかもしれません。


おわりに

どう感じられたでしょうか?
よく言われることなのですが、「ローグライクを上手になるにはどうすればいいですか」「死ね」という定型文で言われるように、
ローグライクはプレイ(死亡)を重ねただけ上手になります。
その過程でキャラクターが消滅してもしなくても、それはプレイヤーの経験となり、
次のキャラクターを長生きさせ、いずれクリアに導いてくれます。
最終的には、ペナルティをどこまで受け入れられるか、という自分との相談に落ち着くのではないかと思います。

願わくば、みなさまが自分に合ったローグライクと出会い、生涯の友としてくださりますように。


明日は?

カレンダー6日目は、argrathさんの「NetHack新バリアント」です。

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